自分のカラダが何でできているか考えたことはあるでしょうか?
一般的には、カラダの60~70%が水分です。歳をとればとるほどその水分量は減るそうですね。
赤ちゃんの肌はプルンプルンなのも納得です
そして次に多いのがタン白質で体内の20%を占めています。
筋肉がタン白質から作られていることはご存知でしょうが、そのほかにも皮膚、体毛、爪、歯、血液、ホルモン、抗体、DNAに至るまでこれらすべてタン白質でできています。
「骨にはカルシウム」と判を押したように言われますが、タン白質のほか、鉄、マグネシウム、ビタミンCも必要です。
コラーゲン飲料が多く出回っていますが、通常口に入れるようなコラーゲンは分子が大きくそのまま体内でコラーゲンとして吸収されるわけではなく、一度消化されてアミノ酸としてバラバラに解体されます。
コラーゲンで肌をプルプルにしたいのであれば、タン白質、鉄、ビタミンCを摂ったほうが、飲料大量に含まれる余計な糖分を摂らなくてもいいしいろんな相乗効果もありますよ✨
タン白質が不足すると妊活にどのような影響があるのでしょうか?
シンプルな話で、上記に挙げた筋肉や皮膚をはじめとする組織がすべて弱くなります。
- 肌の美しさと潤いがなくなる
- 骨、歯、筋肉が弱くなる
- 内臓がおとろえ、消化器機能も落ちる
- 血管がもろくなる
- 貧血になる
- 新陳代謝がにぶり疲れやすくなる
当然ながら、ホルモンの材料が不足するので、ホルモンの乱れを加速させます。
抗体も十分につくれないので免疫力が下がります。
ワクチンは抗体をつくるために打つものですが、いくら不活化したウイルスを入れても、材料となるタン白質が不足していては抗体はつくられていない可能性もあります。インフルエンザワクチンも食事をおろそかにしては効いていないかもしれません(そもそもインフルエンザワクチン接種の必要性は疑問が多いですが)
ピロリ菌検査を受けたことがあるでしょうか?
あの検査は血液中のピロリ菌の抗体を調べていますが、実際に胃にピロリ菌がいてもタン白質不足だと陰性という結果になります。
血液中のアルブミンという物質も血液検査でタン白質量の指標となるぐらい、タン白質量を如実に反映しますが、これが少ないとせっかく飲んだ薬も運搬されずによく効かなくなりますし、手術した場合、術後の回復期間にも大きく影響します。
「貧血に鉄!」とこれも定説になっていますが、赤血球はタン白質がなければ十分につくられません。
貧血ということは、栄養も酸素も体に行き渡らなくなります。頭痛が起きたり、肩こりがひどいのは当然なので。
なにより、妊娠を望んでいる方に直結することは卵子内のミトコンドリアの元気を奪うことです。
通常、ミトコンドリアは筋肉、心臓、肝臓など、パワーを必要とする臓器に多く存在しますが、ひとつの細胞に数百から数千という数です。それが卵子に至っては10万個のミトコンドリアがいるのです。それだけ受精や着床にエネルギーが必要なのですね。
ああ、そんなに大事なら今日からタン白質をたくさん摂らなくっちゃ!
お肉に魚、貝類、豆。私にとってはおいしいものばかりでなのですが、「最近お肉を食べていないわ」という方にはひょっとしたらきつい話かもしれません。
なぜなら栄養療法では、体重50キロの方であれば1日55gのタン白質が必要としています。
これが意外にも多くて、なかなかそれだけの量を食べるというのは大変なのです。
例えば、ステーキ1枚は通常100g。
これがすべて体内で使われるわけではなく、食材によってその使用率は異なります。
食材そのものもタン白質重量と、その食材がヒトにどれくらい利用されるかを数値化した”プロテインスコア”と呼ばれるものを掛け合わせます。
さらに火を通すと実際にステーキから体が吸収できるタン白質量はなんとたった8gです。
牛肉100g = タン白質重量 20g × プロテインスコア 0.8 ÷ 2 = 8g
それに比べると生卵はプロテインスコアが1.0で火を通さないためタン白質重量そのままの1個で6.5g摂れるというスグレモノです。
食事だけで必要量をまかなおうと思うとタイヘンですが、他にもいくつかコツや方法があります。
それは『吸収効率を高める』こと、『体内のタン白質のリサイクル効率を高める』ことです。
それらは実践方法編としてあらためて書きますね。