「肉を食べるお年寄りは長生きする」ということが今や常識として語られるようになり、栄養に特に興味のない方でも肉はできるだけ食べるようにしている方もよく見かけます。
タン白質はお年寄りに限らず老若男女に非常に重要な栄養素です。
今回はなぜ肉がよいのか、どのように食べるのが効果的かまとめてみました。
まずは「よく噛む」
大事な消化液のひとつである唾液を有効活用することです。
30回咀嚼するのが理想とされていますが、筆者の経験上、よほど固いものでなければ20回ぐらいおいしく食べられる限界です。これだけのことなのに、実際「出てくるもの」も変わりました。
肉はミトコンドリアを元気にする栄養素が詰まっている
肉はタン白質はもちろんビタミンB群、鉄も同時に摂れるスグレモノ食材です。
ただし、脂肪を摂り過ぎないようにできるだけ赤身の肉を選んでください。動物脂肪は体内で代謝しきれるので、トランス脂肪酸のような悪さはしませんが、摂りすぎは細胞膜を固くしたり、身体を酸性に傾けたりなどの悪影響があります。
肉・牛乳はできるだけ良質のものを
現在の食肉・乳は環境ホルモン物質の汚染、遺伝子組み換え飼料、抗生剤投与など、いろんなリスクにさらされています。短期的に大量に摂りたい方は安全性・経済的にもサプリ(プロテイン)で摂取するのもよい選択だと思われます。
日本人は乳糖不耐症の人が多いのです。健康のために無理して飲む方を見かけますが、決して無理に飲むものではありません。カルシウムが不足しがちだからと学校給食でも毎日のように出されますが、骨を作る栄養素はカルシウムだけではありませんし、過剰なカルシウムはかえって心疾患や骨粗鬆症を誘発するというデータもあります。
牛乳が苦手な方は調整豆乳はいかがでしょうか?
大豆には牛乳には含まれない元々鉄分が含まれますし、カルシウムも添加されているものが多いようです。ただ、大豆も大量に飲むと毒なのでほどほどにしてくださいね。
消化酵素で分解・吸収効率を高める
実は日本人は胃酸をはじめ、消化酵素が十分に出ていない人が多いのです。肉を食べたいと思わなかったり、揚げ物を食べるとむかつきを感じたりするのはそのためです。消化酵素のサプリを用いることにより、タン白質の分解力を高めその結果タン白質の吸収を高めることが期待できます。
また、食物アレルギーの原因であるリーキーガット症候群は、腸の上皮に小さな穴が開いていてそこから未消化のタン白質が入り込んで血液で運ばれアレルギー症状が出るのですが、消化酵素は未消化のタン白質を少なくする作用で症状の軽減が期待できます。
植物性タン白質は動物性タン白質と組み合わせて
大豆などの植物性タン白質は低カロリー・低脂肪でタン白質が摂れるというメリットがある反面、アミノ酸バランスに優れている食材とは言えません。口から摂取されたタン白質は消化器内でアミノ酸に分解されて、筋肉や骨を生成するために再度タン白質を合成しますが、その時に必須である別名「開始アミノ酸」メチオニンが植物タン白質には含まれていないのです。
そのため、植物性タン白質を摂るときには納豆には卵、冷ややっこには鰹節、など動物性タン白質を足してあげることを心がけてください。
ただ、最近大豆のアミノ酸スコアが100に改訂されたようですね。つまり鶏卵と同じように完全無欠タン白質と定義されたわけですが、その辺りも研究してみますね(@^^)/~~~