『50才で赤ちゃんを!不妊治療の向こう側』を読んで

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以前読んだ『卵子はよみがえる』を書いた小杉好紀氏の本。
『卵子はよみがえる』よりもずっと前の2009年に発行されていますが、内容は驚きの連続でした。

ついこの間分子栄養学実践講座で学んだメチレーション回路の話が出てきています。
メチレーション回路という言葉は使っていませんが、「強力な抗酸化物質であるグルタチオンは食べ物ではなかなか吸収されないけど、S-アデノシルメチオニンという物質(サプリ)を補充することにより脳内でグルタチオンの生成が高まる」とあります。

「自分は最新の知識を学んだ」と思っているのは勘違いで、いかに狭い視野で物事を判断しているかを実感させられます(^-^;)。

この先生は分子栄養学だけでなく、子宮内膜症の原因などを自分なりに研究して治療方法も独自で開発しているのがスゴイところ。
しかも、Narrative based medicineと言って、診断のみでなく、患者さんの『物語』、つまりその方の人生や不妊に対する思いを理解して治療に考慮することを実践されているそうです。
今風に言えば『患者ファースト』ですね。(←もう古い?)

私も『相談者ファースト』なカウンセラーでありたい。
そのためには流派を超えてでもいろんな知識を幅広く集めることが必要ですが、分子栄養学の仲間からは『浮気性』だと思われているんだろうな・・・。
まあ、そんなの気にしない。信じる道を行くのが私の幸せなのですよ。

さて、話を戻して、子宮内膜症の原因や有効な栄養素に関して抜粋します。
子宮内膜症の原因はずばりダイオキシンなど環境ホルモンによるもので、TCTP/HRF(ヒスタミン遊離因子)という遺伝子が異常に子宮内膜を生産し、免疫システムが過剰反応、その結果卵子にとって居心地を悪くさせている、と説きます。
母親世代に被った汚染の影響によって娘が苦しめらている、とも。

ああ、これもか・・・_| ̄|○
歯の詰め物であるアマルガムやマグロなどから長い年月をかけて水銀が体内に蓄積し、それが胎盤を通じて産まれてきた赤ちゃんが自閉症になる、というのが分子栄養学で学んだこと。
その後、食の安全委員会から農薬も自閉症になる原因と聞き、この本ではダイオキシンも我が子に渡してしまうと・・・。

栄養状況の影響も三世代まで及ぶと聞きます。
妊活中だけでなく、この世に生を与えられた時から、適切な栄養を摂り有害物質から逃げることは必要なことなのですね。

HRFに異常がある場合、30代前半でも妊娠率は30%以下まで低下、さらに卵巣に問題がある場合は10%以下、つまり50歳近くの妊娠率と変わらない状態だそうです。
その異常プログラムを修正することにより子宮年齢を年相応にすることが可能、というから嬉しいお話ですね!
実際、本の中でも体外受精で10回も実らなかった48歳の方が自然妊娠されたエピソードが紹介されています。

分子栄養学では子宮内膜症に多く処方されるのはビタミンAだそうです。
細胞分裂を促し抗酸化作用もありますが、遺伝子の異常にまで打ち勝つとすれば、栄養素のチカラはやはりすごいと言わざるをえません。ビタミンAは誤解されている栄養素のひとつですが、きちんとつくられているものは安全です。さらに、効果を最大にするには、タン白質、鉄、亜鉛なども必要ですね。

タン白質で思い出しましたが、メラトニンも抗酸化作用をもち、「さび」から卵子を守るのだそうです。
メラトニンといえば、セロトニンから生成される睡眠の質を改善するアミノ酸(タン白質)なのですが、こんな作用を持っているとは驚きでした。

タン白質は私たちの筋肉や骨、皮膚をつくるばかりでなく、血液、抗体、ホルモン、神経伝達物質の働きもよくします。
タン白質は本当に大事なのですね。

いろんな患者さんの『物語』を垣間見れる本書は読み応えも抜群でした。
一度小杉先生にお会いしてみたいな~(^-^)

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