栄養が体質を変えるとするならば、その状態をキープするためにサプリメントは一生飲まなくてはいけないのでしょうか?
確かにその状況が疾患として分類されるときにはそういう方もいるかと思います。
例えば、ピロール尿症という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
この疾患の方は精神症状があり、恐怖心が強く、妄想・幻聴があり、夢を全く思い出せないなどの症状が特徴です。実は統合失調症の20%はこれにあたるそうですが、原因は体質的に体内のビタミンB6と亜鉛が尿に排泄されてしまうことにあるそうです。
この患者さんに効果的なのは薬ではなく、ずばりビタミンB6と亜鉛や抗酸化力のあるものですが、健常人より何十倍もの量が必要なためサプリメントに頼らざるを得ません。
そういう特別な例を除いては、本来、栄養は日々の食事から採り入れるのが基本ですよね。サプリメントは短期間で今の状態を抜け出すためのツールであって、ダラダラと飲むものではないと思います。
その栄養素の特性にもよりますが、きちんと効果のあるものはダラダラと飲めるほど安価ではないはずです。サプリメントや漢方薬は副作用がないと思われている方もいるかもしれませんが、稀ではありますが実際はそうではありません。化学物質でつくられた薬よりはずっと安全ですが、長期に飲まないことは未知のリスクを回避する上でも心がけたほうがよいと思います。
ただ、分子栄養学的に体に良いものとは、まだ世の中ではそれほど一般的ではない食材だったりします。例えばオメガ3や中鎖脂肪酸と呼ばれる油やマグネウムが豊富な塩など、一般のスーパーでは取り扱っていなかったり、どのように調理をしていいか分かりずらい素材もあります。
食事で改善しようと思ったら、栄養素の働きを勉強したりどこでよいものが買い求められるかある程度の手間や工夫が必要です。
そして、サプリメントをなぜ必要とするか。それは非常に効率的だからです。
先ほどのピロール尿症や、時間が限られる妊活中の方には、食事で必要量を摂っていたらとても間に合いません。しかも前述のように食生活を大幅に変えなくても変化を期待することができます。
食事は確かに確実でリスクのない方法ですが、結果を出すまでに数年単位で待つ必要があります。
話はそれますが、薬もスピーディに効くという部分では共通点はありますが、大きな違いとして、薬の多くは対症療法であることです。対症療法とは、症状を抑えることを目的として原因に対して直接作用していないということです。わかりやすい例を挙げれば、風邪薬や頭痛薬がそれです。症状を麻痺させてはいますが、直接ウイルスをやっつけたり頭痛の原因をみつけて作用している訳ではないのです。
対症療法でない、薬の代表格と言えば抗生剤でしょうか? しかしながら、抗生剤は腸内細菌を攪乱する上に、多剤耐性菌の問題もあります。実際、夫は、抗生剤服用後に強い腹痛を訴え、救急車で運ばれたこともあります。生死にかかわるときには迷いなく使うべきでしょうが、他に方法が取れるときには第一に選択すべきものでないと学びました。
ちなみに私は軽い感染症(主に風邪やインフルエンザですが)に罹った時にはオリーブ葉エキスを飲みます。おかしいなと思ったその晩に飲めば翌朝には症状を感ずることなく起き上がります。細菌のほかウイルスにも効くので我が家の必需品として常備しています。
上記のような理由から、私の活動は、
- 『食事は正しい知識の元に継続して体が必要としているものを口の中にいれる工夫をする』
- 『サプリメントは目的をもって適切な品質のものを適量服用する』
という2点を柱にしたいと思っています。